中城村護佐丸歴史資料図書館

平成28年5月30日(ごさまるの日)オープン!!
中城村の英雄「護佐丸」や世界遺産・中城城跡をはじめ、琉球史が学べる歴史資料図書館です。本ブログでは、当館の企画展やイベント情報、活動様子などを紹介します。
★休館日:毎週火曜日、毎月第3木曜日、祝日の翌平日(祝日振替休)
★開館時間:平日・祝日10:00~19:00 土・日10:00~17:00

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てぃーだイチオシ

続・館長ブログ「吉の浦だより」




展示会場(奥のスクリーンでは8㎜フィルムの動画も公開しています)

現在、当館3F企画展示室にて、写真展「元米兵が見たOKINAWA」を開催中です。この展示会では、NPO法人琉米歴史研究会から今年4月に中城・北中城の両村に寄贈された約4万点の写真の中から375点を選んで展示しています。これらは主に1945年から1960年代にかけて沖縄島の各地と宮古島で米兵が写したもので、仕事、祭り、街並み、風景と内容は多岐に渡ります。現在と比べたら、食べ物や電化製品や衣服など、衣食住に関わる全てのモノが不十分であったと思いますが、写真に写った人々の表情は明るく、それぞれの仕事や作業に元気に取り組んでいる様子が伺われます。特に、子どもたちがとても良い笑顔をしているのが印象的です。いろいろな出来事があった戦後沖縄ですが、こうした日常の場面に焦点を当てた写真展は珍しいのではないでしょうか。


子どもたちの笑顔

連日多くの方々が来場して下さり、熱心に観覧されています。グループで来ている方々はお互いに感想を述べたり、時には感嘆詞を発したりもしています。また、私たち職員が、写真についての質問やコメントを頂くことがよくあります。ここでは、そのうちのいくつかをご紹介しましょう。


シラヒゲウニ(写真中央上、番号59)

大学で水産学の研究をしている方がシラヒゲウニの写真を見て、「昔はこんなに沢山とれたんですね!」と驚いていました。確かに近年、シラヒゲウニはめっきり少なくなりました。今回の写真展は、人の暮らしが主題ですが、写り込んでいる生物から時代や環境の変化を感じることもあります。


バリカンと少年(写真上中央、番号76)

床屋さんが大きなバリカンで少年の髪を刈っています。先日、世界のウチナーンチュ大会で来沖された中城出身の方から「これは何をしているのですか?」と質問されました。若い方は手動バリカンを見たことが無いかも知れませんね。それにしても、何と大きなバリカンでしょうか。床屋さんはハンドルを両手で持ち、少年の頭に突き立てるように当てています。まるで、散髪というよりヤットコで釘でも抜いているような感じです。「ガジガジ」と音が聞こえて来そうであり、痛そうだな~と思います。


来々軒(写真中央、番号141)

国際通りのむつみ橋付近にあった中華料理店です。「子どもの頃、親に連れられて行った」という来場者の方が居られました。「今考えると小さい店だったけれど、当時は高級な感じがした」とのことです。「むつみ橋のステーキハウスの辺りにあった」そうですので、現在「サムズ・マウイ」がある所かと思われます。那覇に関しては、国際通り、平和通り、神里原通り、新栄通り(サンライズ通り)等の写真が沢山あります。商店や百貨店の看板も写っているので、ご覧になれば当時を思い出す方も多いのではないでしょうか。



石川ビーチのマツ(写真中央、番号293)

形の良いマツのカラー写真です。今回、カラー写真がいくつかありますが、これらは元々カラーなのです。米兵は早い時期からカラーフィルムを使っていたのですね。これは、石川ビーチの北側、現在は火力発電所になっているところにあった岬のマツで、地元では有名な木だったそうです。「『石川市史』(1988年)に写真があったはず」との情報を貰い、確認したところ、同書の口絵写真に「赤崎地先にあった一本松」と説明付きで掲載されていました。


ロバート・ロック氏とカメラ(大きな写真は久場崎から熱田あたりの航空写真)

入場者の方から「ロックさんの階級が分かりますか?」と尋ねられました。「分かりません」と答えると「工兵隊中尉だよ」と教えてくれました。ロバート・ロック氏の写真に写っている襟章から所属、帽章から階級が分かるのだそうです。「僕は1974年頃まで、長く米軍基地でトラックの運転手をしていたから直ぐ分った」とのこと。

この写真展では、写真と入場された方々の人生が接点を持ったとき、色々な事を思い出したり考えたり、それを周りの人たちに話したりする反応に繋がる場面がたくさん見られます。それは楽しい瞬間ですが、その時得られる情報は、今後写真の活用を考えるうえでとても重要なものでもあります。一人でも多くの方が「元米兵が見たOKINAWA」をご覧になり、感動を分かち合うとともに私たちに情報を伝えて頂ければと思います。同写真展は12月4日(日)まで!

(文責:濱口寿夫)
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